【 サイクロップのボールと8ボールのテーブル 】
掲載日 2016-03-23
Chinese 8Ballを初めて見て…、サイクロップのボールと8ボールのテーブルについて疑問???
大阪や台湾で見たサイクロップのボールは明らかに中心がとれていなくて、ボール自体によるヨレが出ていた。
また、台湾で耳にした話では、台湾にあるテーブルはスローで転がすことができなくて、ボールがやはりヨレる。ボールのせいとテーブルの精度の問題である、ということだった。
しかし今回iPadで見ていたYou Streamの画像ではそれ程目立ったものはなく、きれいに的球は走っていたし、コロコロと流してもヨレはなかったように見えた。
何を考えているのかというと、このヨレる状況での大変シブいテーブルと、あまり気にせずにただ単にシブいテーブルでは、我々キューを作る側として考えることが異なってくるのである。
今回優勝した石選手(中国)はおそらくチャイニーズ8ボール専門のプレイヤーであろう。使用していたのはスヌーカーのキューであった。
準優勝したMickel Hill選手はプレーを見る限り、普段はスヌーカーよりもPoolをしているのかな?(イギリスの8ボールチャンピオンであるような話を解説のJohn Higginsはしていたけど)。
なぜそう思ったかというと、Hill選手が使用していたのは細めのポケットキューだったから。でも出身は間違いなくスヌーカーであることはキューの持ち方やストロークを見ても判る。
今年の大会で使用されたテーブルは『タイプ1』と呼ばれるもので、中国国内に普及している『タイプ2』よりもずっとポケットが狭く、こすったらまず入らないというレベルだそうだ。普段撞いているのがヨレる状況の『タイプ2』ならば、先球にパワーがないとなかなか使えない。でも『タイプ1』のテーブルでもヨレないならば、スヌーカー用のキューでもOKなわけである。
Higgins選手が決勝の解説で話していた中でとても印象深い言葉があった。
『我々はこのテーブルのこのゲームは初めての体験なのだ。今回撮影されたゲームをすべて英国に持ち帰って、ゲーム自体を分析しないといけない…、少し時間が欲しい、これは初めての新しいゲームなのだ…。』
この解説を聞いていて、(あぁ、来年は予選から大変なことになるな…。彼らは名誉をかけて闘っているのだ。)と感じてしまった。
HigginsやTrumpなどが予選を通らないなんて、誰も夢想だにしなかったことだろう。もちろん中国期待の丁選手もね。
ちなみにILC Cueを使用中の張榮麟はベスト16、謝佳臻はベスト32(なんと張榮麟と当たってしまった…)であった。
皆が頑張る姿を見て、キュー作りがさらに愉しくなる自分である。