【 スネークウッドは木が命 】
掲載日 2018-03-15
キューに使う木材はたくさんある。
木材にカーボンやらグラスファイバーなどを使うようになるともう素材は木材でなくても何でもよくなるが、今日は木材のお話だ。
私が使用する木材は全て海外からの輸入に頼っている。
安い素材は正直に言うと無い。理由は送料が高騰していることと、また通関料と手数料も上がる一方だからである。
しかし海外から木材を買って一番困るのが品質である。
杢目、木理がこちらで希望しているものと違うことが多い。多いどころではなく開けてみてガッカリ、ということばかりである。
国際便なので、返品もおいそれとはできないから結局ロスになってしまう。
特にスネークウッドやピンクアイボリーウッドは原価も特別高く、なおかつロスも一番多い素材である。だから、良い杢目、良い色味のものは本当に手に入れるのが難しい。
これが 素材をあちこちから購入しての実感だ。
2018年3月にスネークウッドの本ハギをリリースした訳であるが、あまり反応がなくて驚いている。
前回は10数本、今回は30本程フロント材を作ってみて、その中のこれとこれと…と厳選した一本ばかり。最終的には全部で7〜8本しか揃わなかった。(画像のハギ材は全て杢目が完全ではないフロント材である。)
木材の良いところだけを組み合わせて作り、できあがったうちの20%程も使えない。こんな非効率のハギ材である。
スネークウッドは割れることも多いし、作っていてダメになったりするのはよくあることだ。
このようにしてようやく完成したものだけに、思い入れも深いものである。
「Luckyさんのところの木材は最高なのは当たり前ですから」…そんな言葉を頂戴すると、ついつい厳選してしまう。
でも現実はとても厳しくて原価も高くついてしまうのはご理解いただきたい。お届けするのは私の“心意気”なのです。
合掌