Q. 9Heartsはどんなキュー???
A. まず“入れ”に強いキュー。トーナメントのプレイキューという事でつきつめて考えて作られています。見越しが少なくてノーマルシャフトなのにハイテクのようである、という評価を頂いています。しかも中心からあまりひねらなくても十分にひねりがのりポジショニングがしやすい、とも。
   
 Q. 同一リングということはシャフトの互換性はあるの?
 A. あると言えばある、ないと言えばないです。出荷時に1本のバットにシャフトを2本ずつ径を合わせて仕上げています。当社は全て手仕事なので、プロダクトより均一性ではレベルは少し落ちます。だからジョイント径で0.1o程の誤差が出てしまうこともあります。0.1oが許容範囲かどうかはプレーヤーさんご自身の判断にお任せします。
   
Q. 今までのノーマルシャフトと何が違うの?
A. 一番は素材。エーブリッチのシャフト材とは別のものになりますが、9Heartsは約10年程寝かせた重めの良いメープル材を時間をかけて削り出しています。削っては寝かせ、削っては寝かせの繰り返し…。 これは一昔前、1980年代までのキューは皆そうでしたが、現代のキューにはもう忘れ去られた作り方…。現代のキューでは99%冷温真空乾燥された白くて大変軽いメープルを使っています。例えていうと角砂糖のようなもので大変に加工性が良く、時間の短縮になるわけです。
シャフト用のメープルではこのように素材が違います。
9Heartsではこの重いメープル材を活かしていかにハイテクシャフトのように見越しを少なくするかに注力しました。スリーの重いボールを撞く時に見越しを抑えるように注文され、テーパーについて学んだ経験が活きています。
ひねって撞いて見越しを少なくし、さらにスピンがのる、…こんなノーマルシャフトは今までにはなかったものと思います。球を撞いた時の音、感覚も良いそうです。
   
Q. シャフトはハイテクですか?
A. いいえ、今のところハイテクではないです。
   
Q. タップは何がお勧めですか?
A. 私(Lucky)個人ではTradのMが合うかと思っていましたが、使用した人、試打した人の評価では圧倒的に斬のHybridMaxが良いです。これはあくまでも参考にしていただけると幸いです。
   
 Q. シャフトは削っても良いですか?
 A. シャフトを削ることはあまりお勧めできないです…。当社から出荷する時は何も塗ってない状態ですが、十分に時間をかけて削られているのでこのままでもおそらくは曲がらないと思っています。ただしご自分で削ったりするとおそらくは曲がったり、動いたりします。削ってダメとまでは言いませんが、テーパーはなるべくいじらない方が良いかと思います。
   
 Q. 自分で使用する時にはどんなプレイヤーやストロークをイメージすると良いでしょうか?
 A. 世界のプールシーンでは、身体の大きい人も小さい人も皆ショートストロークで撞点を内側にしてシュート力第一のプレイスタイルになってきました。9Heartsもこの流れに逆らわず、振った分・撞いた分だけ球が出る=エネルギーに無駄のないキューを目指して開発された競技用のキューです。
   
 Q. デザインにより打感は違いますか?
A. あまり違いが出ないように作っています。木工品は普通、デザインが違うとかなり打感は違ってきますし、同じデザインでも素材が変われば打感やバランスも変わってきますね。でも9Heartsではそういった事はほとんどないとお考えください、おそらく大丈夫です。
   
 Q. ベースモデルを少しだけ変更したい、そんなオーダーは可能でしょうか?
A. 基本的にはお客様のご希望をお伝え願い、デザインについてはケースバイケースとさせて頂きたいです。テーパーの変更などは難しいと思います。
   
 Q. なぜ価格が今までの物より安いの?
 A 今までのILCの作品は基本的に“一本物”で、時間をかけてデザインし、素材ひとつひとつにもこだわりぬいて作ってきました。シャフトのテーパーなどもオーダー品なので同じ物はないと言っても良い程です。もちろんすべて自社内で作りあげたものです。
象牙なども折れやすい輪切りの平底の物を使って丁寧に削り出し、インレイしました。美しさにこだわりこのような事をするところは世界中でもなかったし、きっとこれからもないでしょう。すべてエーブリッチのシャフト材から産まれた最高の物作りを追求した結果です。最高のテクニックを積み重ねて作られたキューです。

それに比べると9Heartsはまずシャフト材が違います。それから効率化を考えてテーパーは均一にしました。
今後も同じデザインを製作することを想定してリングもシンプルなものばかりです。
基本的には一本物ではないとお考え下さい。本数を作るためにフロント材は信頼できるところに注文しています。これが自分達の手でやるとなると今の価格ではできません。自社内で黒檀などのシン抜きをすると本数が出来ないので値段を上げざるを得なくなるのです。このフロントワークを数か所の工房に工法と工程を指定して試作してもらい、外注先を決定しました。納品後も時間をおいてから検品して使用しています。

もう一つ大きな理由としては、『もっと手の届く価格の物を作って欲しい!』という、発売当社からお客様にたくさんご意見を頂いていたことがずっと気になっていたからです。
自分達ではとにかく“良い物を作りたい”という気持ちが強かったのですが、10年近く作ってみておかげさまで世界チャンプが使うまでの物を作れるようになりました。すべて皆さんの応援、励ましのお陰だったのです。今度は日本国内で良い物を広めたい、ただそれが一番です。
   
 Q. 9HeartsとNINE HEARTの違いはあるの?
 A. NINE HERATはLuckyの製作ブランドで、“一本物”で個体差も大きい、100%自社製の作品です。今年は3、4本ぐらい作れるのかな?
9Heartsは息子の浩之の製作ブランドです。同じテーパーで作っていて95%息子が作っています。今年は60〜80本ほどを作る予定です。
ただしどちらのブランドもバットは全て浩之が担当しシャフトはLuckyが作っています。作業的には2017年初めにもう1人の義息子が入りまして、3人で朝6時から土、日曜も関係なく作っているブラックな会社です(笑)。
   
 Q. ズバリ、9Heartsの1番のこだわりとはなんでしょうか?
A. これは当社の製作している全てのキューに対して同じことが言えますが、接着だと思います。
性能差が出るのは一番が素材の違い、その次に技術です。この技術という面で考えると2つの要素があります。1つは切削技術でありもう1つが接着技術です。
パーツを優れた精密機械で削ることも大切ですし、インレイパーツは当社でもそうしています。それとパーツを実際に自分の手で旋盤で削ってみることも感覚を研ぎ澄ますのに良いです。それを接着してみて最適な密着度を自分で体感するわけです。キューの製作においてはこの経験の積み重ねがあってこそエネルギーロスの少ないキューができると考えています。木工品は素材のサイズが削った時と翌日では違うのが当たり前なのです。接着技術は大切な所ですね。幸いにして2人の息子たちはかなり神経質ですね。目に見えない部分ですがよそにはできないところと自信を持っています。
   
 Q. 9Heartsの目に見える今までのキューと違う点はありますか?
A. ILCで作品を出してからキューの世界では随分とデザインスタイルが変わったなと感じています。2017年から9Heartsを作るようになりベニア材を新しく使い始めました。そうしたら今までのキューのデザインとはまるで違う物作りができるようになりました。プレイする方にとって自慢の一本になるように頑張ります。楽しみにしていてくださいね。