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【 食欲の秋!! 】

掲載日 2021-09-09

ご存知の方も多いと思っていますが、我々は新潟に工房を構えています。東京から新幹線で2時間ですので、キューを見たい方などいつでもお越しください。



新潟の夏は大変長くて暑い、とこちらに移ってからずっと感じていましたが、昨年は8月末に台風が来て、それからきちんと秋になりました。10年間で初めてのことでした。
今年は現在9月9日ですが外は28℃を切るぐらいで、夜は20〜22℃と涼しい。街中ではセミも鳴いて工房ではエンマコオロギも鳴いています。今年も秋があるような…気がします、秋は太りますが美味しい!!




ウチの会社では9月というと、もう気分は一気に年末。まだ4ヵ月もあるのにね。
現場では現在取り掛かっているラインの作品が12月とか1月にようやく形になって仕上がってきます。キュー作りは時間がかかるのよ。
パーツを集めて試作して、色のバランスやサイズ感を揃えて全体にイメージを膨らませます。あ〜でもない、こ〜でもない…とやりあうこともあったりします。少人数でもぶつかるのはとっても大切なのです。テレワークだとこうはいかないよネ。

9月に入ると気分が年末、というのには他にもまだ理由があります。
ご存知の方は少ないだろうけど、2022年用の新しいカタログと2022年のカレンダーの構成を決めていく時期だからです。気分は尻に火がついた感じで12月8日ぐらいかな、開戦記念日!!

カレンダーもカタログ関係も印刷物は、仙台にいた時は全てを丸投げしていました。だから大体1ヵ月程で仕上がっちゃう。もちろん文章などは全部自分で書いたのは変わりないけど。
今でも時々、昔のカレンダーや小冊子を出して見るけど、なかなか味があって面白い。





新潟に2011年に移って来てからは、この印刷物に関する仕事は全て自分たちで行うようになりました。専門家のデザイナーさんのように色々なソフトが使えないし、構成や校正もなかなか気が付かないことも多い。写真などはほとんど次女が撮っています。
カレンダーの構成も何もかも、ほとんどというか全部ですし、カタログの内容も全て、です。




カレンダーとカタログは似て非なるものです。
カレンダーは月捲りで季節感は絶対に欠かせないし、30日間の目の保養です。新しめの物を入れることも当然だけど、出して良いキューと良くないものもあるから…難しいネ。
その点カタログは今までの蓄積です。目で愉しむよりも読み物としての愉しみがメインと理解しています。だから毎年同じことを書かなくてはいけない点は必ず出てくる。我々の生い立ちとかポリシーは絶対書くようになりますネ。

我々のような木工をしていますと、おそらくほとんどの方は毎年同じ事をしていると勘違いされると思います。まあ、仕上がりの形としては“キューを作りあげる”ということは同じなのですが、接着や構造、作り方や仕上げの方法、塗膜など1年単位で見ても随分と変化しています。目に見えない点ですが、デザインの中での“美しさ”に対する感覚も各自変化していますね。
そんな事を新しいカタログの中でも表現出来たら良いなと思って今年は作りたいネ。





こんな弱小の物作りをしているメーカーですが、キューの世界ではものすごくユニークな存在なのをご存知ですか?何がユニークかというと、このカレンダーやカタログを作り配布する、ということです。
キュー業界に携わって私も40年近くになりますが、世界中のどのメーカーもカレンダーなどは作らないのです。ネットが普及しているので、プリントアウトしたカタログなども前時代的かと作っている身として我ながら思いますね。

カレンダーを作る、ということはせっかく苦労して時間をかけて作ったデザインを他の人の目に晒すことを意味します。ほとんど一本物しか作らないウチが、既に売れたかもしれないキューのデザインを出すなんて自殺行為に等しいとも思います。どうしてかというと、他のメーカーが類似デザインをより簡単に安く作るかもしれないですから。
キュー作りの一番のコストはきちんと時間をかけて吟味しながら作りあげる時間なのです。だから皆盗用に走るわけなのよ。
でも私はキューの一番大切なことはデザインとか価値などよりもキューそのものの性能と考えています。だから誰にも同じようなキューは作れない、そう考えていますネ。





どこにも書いたことはないけど、私たちのキューのデザインはアメリカのメーカー達からは大変興味を持たれています。GinacueでもTonkinでもSearingでもShowmanでもその他たくさんの人から画像やカレンダーを望まれます。Barryからもです、ホント。中には読めないのにカタログも所望する強者もいます。見ていて愉しい、と言われるとホントかよ、と思いながら送っていますよ。私の知らないキューメーカーからも要求されるようになってきました。



デザインは誰でもマネすれば良い、するならばオリジナルを上回る物を作ってネ、と考えています。
オリジナルを作る源泉はなかなか盗めない、まぁムリ!!
そんな事に一喜一憂するよりも、常に自分達でしっかりと成長することが大切だと思うネ。これからも自分たちの成長の記録(失敗でもあります)としてのカタログ作りは、出来る限り続けていきたいですネ。




頑張りま〜す!!




By Lucky.